ちまたでは毎年、整理収納に関する本が多数出版され、お部屋のビフォー・アフターの写真は溢れるほど掲載されています。
今、どうしてこれほどまでに整理収納が注目されているのでしょうか。
金銭を費やして物を所有する事がステイタスだった時代は過ぎ去り、心や精神がいかに満たされるかを重視した「心の時代」へ移行しつつあります。
家の山積みになったいらない物を整理して、自分の心を満たしてくれる、モノたちと穏やかに暮らしていきたい。
そんな思いが世間の人々の心の中で色濃くなってきているように思います。
整理に関わる問題は、社会問題としてもしばしば取り上げられています。
近年増え続けるゴミ屋敷問題では、周辺住民にとっても大変迷惑となっています。
片づけられない若者が増えている、というニュースや、一人暮らしのお年寄りが膨大な物を遺したまま亡くなり、親族が途方に暮れるという事例もしばしば目にします。
「断捨離」や「生前整理」という言葉を聞くようになった事もそのような問題が日常化しつつある事に起因するのかもしれません。
整理は老若男女、あらゆる人が一生関わる事柄です。「自分が一番心地の良いと感じる暮らし」を追求する人が増え、心の時代が進むにつれて整理の重要性は今後ますます高まっていくことでしょう。
■整理が出来ると人生が変わるは大げさ?
整理をすることは良い事である、という一文に異を唱える人はまずいないでしょう。ただ、「良い事である」と分かっていても、整理をしなくても死なない、生活の中で大した意味はないと思う方は多いのではないでしょうか。でも整理が得意になってくると身の回り様々な生活シーンがより快適になる事が実感できるようになります。
整理が出来ることで、家族や仕事仲間との人間関係が良好になったり、仕事の能率が上がったりします。人脈が広がるとともに良い情報が入ってくるチャンスも増え、生活の質も向上します。整理には多くの人が思っている以上に大きな可能性とメリットが隠れているのです。